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その頃俺はインターナショナルスクールの先輩達と
バンドをやっていてオヤジの友達のライブハウスで
バイトをしていた ライブもさせてもらえたし
夏休みだと来たNYからの先輩にボーカルを頼んだら
ビジュアル系だと女の子に受けてしまっていた
この先輩 最初遭った時は女の子だと思ってた
俺はMiddle School、Steveは High Schoolの時
小さい時からバイオリンをやらされてた
音楽室の扉を開けると 彼がいた
切なげに眉を寄せ 透けるような淡い色の金髪を揺らし
鍵盤の上の白い指は長く 蜘蛛が這う様に動く
強く 弱く やさしく 早く 白い蜘蛛だ そう思った
美しい音色と 綺麗な演者 しばらく動けないまま
聞き入っていた …巧く捕われた?
トルマリン色の眼でじぃーっと見つめられると
息が詰まる感覚を憶えた 「君も音大行くの?」
聞かれた声は低く 始めて女性じゃなかった事に気付く

ペアを組む様になっていた 顎の下から背骨 全身へと
バイブレーションが心地よい調べとなって伝わる
全身を包むように 背後から絡み付くようなピアノ
バイオリンの音の上に重なるように 又合間に
彼との合奏は伴奏と言うより 極上のSEXの様だった
時にやさしく 時に激しく クライマックスも一緒
終わるのも満足感も一緒
ある日 音合わせの後 ふいに後ろから抱きしめられた
やっぱり狙われてたんだ 不思議と不快感はなかった
まだ小さくてか細かった俺はSteveの腕の中
スッポリと収まっていた 静かに体を反転させられ
唇が下りて来た フワリと淡色の髪がかかり目を閉じた
静かな長いkissの後 優しくしっかり抱きしめられ
俺は解放された ただキレイだな彼の事はそう思った
それで目覚めたのか冷静な頭がそうさせたのか
それからは本格的に女の子と付き合う様になった
日に日にごっつく男っぽくなる自分とは違う
女の子に興味津々だった まるで始めての楽器の様
バイオリンよりもギターやベース Steveよりも 
バンドの方が面白くなっていた 
先輩は助手の先生の伴奏をする様になっていた
 

 

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