3(m)

又学校休んでる 又仕事?
いつもの様にでも今日は補習も部活も無いから
早い時間にノートを持ってく 扉を開けてくれたのは
弟の圭太だった
当然の様に2階へ上がる ノックもしないで開けると
前ボタンの薄いワンピースのままベッドに寝ていた
どこかへ出かけていたの?…学校休んで
そうっと側へ近づき…ホントに寝てるの?…と
碓かめようとして微かに消毒液の臭いに気づく
腕には痣の様な点滴?の跡…
「具合悪かったの? どしたの?」
「検査…又行くんだって 血取られて 血管注射して 点滴打って…」
「何 フルコースじゃん 大丈夫?」
「うーん 疲れちゃった 何かダルイ…」
…コンコン小さなノックをして顔を出したのは圭太だった
トレイにジュースなんか持って来てる
「邪魔しないから これ置いとくね」ませてる…
「おまえ一人?おばさんは?」
「買い物 おばあちゃんは昼寝してる…」
「ふーん ありがと」

「ねぇ病気? どっか悪いの?」
「さぁーだから検査なんじゃないの?」
「そっか」
いつもよりそっとそっと口づけた
疲れたの? 又痩せた? ベッドの端に座り
横たわる彼女の手を取り握りしめ聞いた

“steady?” 俺とちゃんと付き合ってよ
“sure!…  いいよ

言ってドキドキした たまらなく愛しくなり
彼女の横へ添う様に横なる 何故か不意に鼻の奥が
つーんとなり どっかへ行っちゃう
彼女は俺を置いていっちゃう…そう思った

ふわりと被せる様に抱き締め 首筋に顔を埋め
涙目を隠した 時間がない 何故かそう感じ
顔を上げ彼女を見た 真っ直ぐに見つめ合い
彼女は俺の瞳の奥に何かを見つけようと訴えている

“…Sara…”愛しいよ…言葉にはせず
決意の口づけを優しく深く交わした

それからの俺たちはピタッと寄り添い
熟年の夫婦の様に何も言わなくても目配せで会話が出来た
そうして会う毎に少しづつゆっくりと口びると
指の範囲を広げ 服こそ脱がないもの
お互いを見せあい 痕を残し  
キスを繰り返しながら彼女の下着の中へ指を滑り込ませる
そしてそこまでだった

 

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