あーっ、人間に恋をしてしまった。
患者さんに恋をしてしまった。
私はオシモ2。いわゆる人型ロボットと言われる部類だ。
中規模のこの病院には各フロアーにオシモが1人づつ(1体とはよばない)配属されている。
他にカンゴ(看護士の代わり)カイゴ(介護士)ミギ(右半身不随専門介護)ヒダリ(左半身不随専門)等
細かく専門のロボが入っている。勿論名前の通り私の専門は患者さんのお下のお世話。
各フロアーに居る同じ顔をしたオシモは感情、記憶は共有しないが記録は共有する。
勿論必要とあらば感情、記憶もデータとして送信出来る。私の所属は2階男子外科病棟。
オシモのヘルプと称して病院に1人オシメがいる。本来は患者さんの廃棄物の処理係なのだが
なんとこのオシメは最新型であり名前に似合わずこの病院のすべてのデータを処理している。
きっと彼の本当の仕事は“襁褓”ではなく“お締め”なのだろう。
そして光通信衛星のヒカリX108/ひかりちゃんと遠距離恋愛しているのだ。
さて私と言えば今時珍しい銭湯で滑って足首を複雑骨折と言う骨の弱い今時の青年
長谷川君にいけない事に恋をしてしまった。彼、長谷川 麹(こうじ)君の入院初日の朝、お下の世話に行った私は
何を思ったか衝動的に彼の朝立ちを自らのお口で処理してしまったのだ。
通常患者さんからの要望が無い限りこちらからのアクションは無い。
彼は少し長めの髪を枕に散らし朝日の中、痛み止め入りの点滴でねむっていた。
頬には涙の跡があり昨夜運ばれて来た時に聞いた廊下に響き渡る「痛いよぅー!!」の絶叫は彼だったのかと知る。
風呂(最近は入る必要性も無いが)、着替え、セックス(これも最近ははやらない)以外に
プロテクトを脱ぐ事が無くなった人間達は精神的にも肉体的にも柔だ。担当のドクターによると
歴史の課外授業で行った生まれて始めての銭湯で興奮し石鹸と言う物で滑ったらしい。
スキンプロテクト位は着ていれば骨折する事はなかったろうに
中にはフルプロテクト着用(服を着たまま)の生徒もいたそうだ。
高校生の割には幼い無垢な寝顔にキスしたくなった。始めての衝動に感情処理分析が追いつかない。
私達にはジェンダーが無い。充電式ロボなので排泄、生殖器官、機能はない。
ニーズに合わせて様々なサイズ、タイプがあるがベーシックに我々は少し長身でスリム、中性的な顔立ちになっている。
3階の女子外科病棟のオシモ3は(往々にして服装の所為だが)女性として認識されている。
人間はロボであっても異性では恥ずかしいという気持は払拭できないのだろう。
さて朝,寝込みを襲ってしまった感のある麹君の尿意センサーが作動する。病室へ行き
そっと彼のベッドを覗けば彼は又,夢の中。躊躇わずに毛布を少しずらし彼のパジャマズボンを引き下げる
私も自分のズボンも少し引き下げ臍を出し彼に少しかぶさる様に彼の尿道口を己が臍に宛てがう。
オシモは臍からも尿を回収し分解解析し,水分は右手の人差し指から消毒液、
残りは固形物になり臍から酵素チップにデータとして排出される。
女性患者の場合は左掌をスポンジ化してあてがう事も出来るがやはり自分でトイレか
解析分解付きフィット型おしめパンツの方が好まれる。
膀胱いっぱいだった水分を放尿した快感からか 彼がゆっくりと目を開きやはり今朝と同じく驚愕に目を見開く。
今朝,彼が目を覚まし見たのは 自分の性器を頬張り微笑む私。
今,彼が目を覚まし見たのは 自分の性器を握りしめ微笑む私。
今朝同様、瞬時に赤くなった彼は呟く「オシモさん…」『はい。いっぱい出ましたねー』私も今朝と同じ言葉を返す。
そんなに可愛く名前を呼ばれると思わず握ったものを扱いてしまいそうになる。
あわてて右掌をスポンジ状にし尿道口を軽く拭く。それにさえもビクっと反応し
麹君のもっといろいろな所を触ってみたいと思った。『気持悪かったら全部拭きましょうか』
私の顔を放心状態で見つめていた彼は数秒後はっとし
又、可愛らしいか細い声で恥ずかしそうに「お願いします」と言った。
私は彼の毛布を腹から下は捲りパジャマのズボンも完全に取り去った。露になった下半身が外気に曝される。
感触は掌だが右手は消毒用スポンジ、左手はワイプアウトにして
ずるい私は少しゆっくりめに足の指から掌でなでまわす。
透明ギブスで固定された足首を素通りし脹ら脛をマッサージする様に揉み、三里のツボに軽く熱電流を流す。
はち切れんばかりの太ももを撫でまわし終えた時には麹君の分身は立ち上がっていた。